◆イメーシファイリング とは
・大量の原票を検索す る必要がある
・イメージ帳票を原票と
見なすことができる事
◆今何故
イメージファイリングか
・目的
・時代状況
◆イメージファイリング解決法選択
・解決法選択チャート
・デジタル化されたイメージ
帳票を原票と見なせる場合
・原票が必要な場合
◆検索キー付けの膨大なコストを削減する
◆データエントリーは
インターネットが必須
・情報漏洩事件
・法律が厳しくなる「個人情報保護法」の施行:2005年4月
・犯人は殆ど内部から
・犯罪に犯されない仕組みが必要
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●大量の原票を検索する必要がある
申込書などの大量の紙帳票の内容は、データエントリーシステムでテキスト化されて、基幹業務処理システムに入力される。
もう一方、法定保存(2005年e-文書法)や問合せ・クレーム処理などの為にその紙帳票原票を保存し、検索する必要がある業務がある。
その紙帳票原票をイメージ帳票としてデジタル化してIT機器から検索できるようにファイリングすることと検索することを「イメージファイリング」とここでは呼んでいる。
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●イメージ帳票を原票と見做すことができる事
2005年4月e-文書法施行により、デジタル化したイメージ帳票を原票と見なすことが出来るようになる。
原票と見なされずに、紙の原票を検索しなければならない場合は、効率よく検索する為にちょっとしたITを使った「帳票庫管理」となる。
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●目的
1.検索に要する時間を短縮したい
原票を検索する必要があるのは顧客からのクレーム、データの入力ミスによるトラブルなどで迅速な対応をしないとトラブルが大きくなってしまうような時が多いものである。
大量な原票保管庫からの検索や遠隔地からの検索要求にはコピーの作成と配送など長時間を要する。
→「イメージファイリング」ではサーバにあるイメージファイルをネットで瞬時に検索することが出来る。
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●時代状況
1.スピード経営が強い企業を作る
業務改革の視点のひとつは、顧客から企業への働きかけから企業内部での処理を経て、また顧客へ必要な対応をし終わるプロセスである。
即ち、「顧客へのレスポンスの時間」と内容である。特に前者のレスポンスの時間の短縮は顧客にとってみると価値になる。
例えば、納入リードタイムが短ければ、発注をより遅くすることで確実な販売へつなげるし、在庫を減らすことが出来るのでコストの低下になる。
イメージファイリングの検索時間の短縮は、顧客へのレスポンス時間の短縮に当る。
2.セキュリティへの社会要請が高まる
2005年4月の個人情報保護法の施行にみられるように、個人情報の漏洩への危険が増し、多くの事件が発生している。その結果、損害賠償に数十億円の支出をせざるを得なかった企業が多数出てきたのはご存知の通りです。
企業が保管する個人情報が5000件を超えると該法の対象となるので、イメージファイリングを必要とする企業・団体は殆どその対象となることになる。
ネットワークを経由して外部からのみならず、内部からの改ざん、漏洩を防止する必要がある。
3.知的資産を経営の資産にする
1990年代から先進国の立国基盤は、知的資産によるとし、米国、あるいは日本も政府が施政方針を明らかにしている。これを企業レベルで見ると、知的資産とは次の3つであると言える。
@人的資産:優秀な人材を多く保有していること
A顧客資産:ロイヤリティの高い顧客を多く保有していること
B構造資産:データベースやコンピュータシステムなどが整備されていること。組織が柔軟に変化に対応出来ること。
別の言葉でいうとこの3つの知的資産を増加させることが企業の目標ともいえる。そうすれば、自ずと強い企業になるからである。
知的資産の対極にあるのが物的資産でお金、不動産、設備などでこれらを大きくしようとしたのが1990年以前の企業だった。もはやそれらの物的資産は企業競争力の基盤にはならないことが先進企業の分析から判明したのである。
上記@,Aを支えるBの構造資産は「イメージファイリング」という一つのIT基盤で実現される。
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●解決法選択チャート
お客様の条件から最適な解決法を選択するチャートを示している。
@先ず、「スピーディに原票を検索する必要があるか?有/無」により、「無」であれば原票を破棄、あるいは法定保存期間に応じて保存することになる。「有」であればAに行く。
A「イメージ帳票を原票と見做せるか?Yes/No」により、「No」であるならば「イメージファイリング」ではなく、原票を保管する帳票庫を管理する「帳票庫管理」になる。
「Yes」であるならばBに進む。
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●デジタル化されたイメージ帳票を原票と見做せる場合
この場合は色んな形態の「イメージファイリング」になる。
B「原票の内容の大部分をテキスト化する必要が?有/無」により、「無」ならば「イメージファイリング」をすることになり、Dへ進む。「有」ならば、何らかの方式で「データエントリー」をする必要があり、Cに進む。
C「手書き文字・漢字が少ない/多い」で「少ない」であれば、OCRによる解読率が高くなるので、OCRデータエントリーが効果的である。そこで「データエントリー&検索キー付け」「OCRエントリー方式」でデータエントリーを行うと同時にイメージファイリング検索のための「検索キー付け」を行なう。そしてその結果を受けて「イメージファイリング・検索」を行なう。
一方「多い」であればOCRによる解読率が低くなるので、イメージ帳票を元に「データエントリー&検索キー付け」「イメージエントリー方式」でデータエントリーを行うと同時にイメージファイリング検索のための「検索キー付け」を行なう。そしてその結果を受けて「イメージファイリング・検索」を行なう。
D「検索キー部分に手書き文字・漢字が少ない/多い」で「少ない」であれば検索キー付けにOCRエントリー方式を採用する「イメージファイリング/OCRエントリー方式」で原票をイメージ化し、検索し易いようにファイリングし、検索可能にする。
一方「多い」であればOCRによる解読率が低くなるので、原票のキー部分をイメージ状態でキーエントリーをする「イメージファイリング/イメージエントリー方式」を採用する。
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●原票が必要な場合
紙の原票を保存し、効率よく検索出来るようにITを活用して「帳票庫管理」を行なう。
最新の技術として無線電子タグ(RFID)を活用したシステムがある。ファイルカバーにRFIDをつけて、保存場所をRFIDリーダーで検知し、探す時間を短縮しようという狙いである。また、この結果保存棚の位置は自由になり、収容率も向上する。
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イメージ帳票の検索キーを付けるエントリーコストは、1枚単価は安いものの数が膨大であるため総コストは膨大になる。例えば、1枚10円でも1,000万枚あれば1億円になる。そこで1枚当りのエントリーコストを安く出来れば出来るほど効果が大きくなる。安くするためには
@検索キーの部分だけを抽出して入力し易くするソフトウェアの機能が必要である。
A安い人件費の海外や在宅者などを安くて確実な通信ネットワークで結ぶインターネットの接続を可能にしているソフトウェアが必要である。
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日本ではデータエントリーのコストの2/3以上が人件費とのデータがある。そこで人件費の削減方法として日本の約1/5程度という低人件費の中国などの活用が有効である。
ところが漢字入力になると意外と中国の漢字と日本の漢字の相違から難しくなり、日本での在宅者に頼らざるを得ない。しかし、中国や日本の在宅者との通信コストが高くついたのでは、もともこもない。
また、イメージ帳票を送信するので、伝送情報量が多くなる。エントリーの時間に遅れを取らないADSL並みの高速回線が必要になる。
それらの条件を満たすには常時接続で高速で低コストの通信システムであるインターネットが最適である。当然、通信での情報漏洩には万全の対策がデータエントリーソフトウェアで施されている必要がある。
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●情報漏洩事件例
発覚時期 |
企業名 |
流出規模
(最大規模) |
漏洩した情報の種類 |
顧客への主な対応 |
2004年3月 |
A社
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201件
(140万件)
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住所,氏名,電話番号,メール・アドレス
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電話相談受け付け
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2004年3月
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B社
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148件
(66万件)
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住所,氏名,電話番号,生年月日
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販売自粛
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2004年2月
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C社
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451万7039件
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住所,氏名,電話番号,メール・アドレス,サービス申し込み日
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会員に500円相当の金券配布
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2004年1月
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D社
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約32万件
(200万件)
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住所,氏名,年齢,職業,相談内容
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24時間の相談受け付け
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2003年12月
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E社
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約13万件
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住所,氏名など
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招待券を2枚送付
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2003年12月
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F社
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約4300件
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氏名、年齢、住所、電話番号、メール・アドレス、不動産査定を依頼する物件の情報
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謝罪文を送付
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2003年11月
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G社
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535件
(18万2870件)
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住所,氏名,電話番号など
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1000円のプリペイドカードと謝罪文送付
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2003年8月
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H社
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7万9110件
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住所,氏名,住居形態,年収区分など
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1000円の商品券と謝罪文送付
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2003年6月
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I社
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56万件
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住所,氏名,電話番号,生年月日,性別
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会員に500円の商品券と謝罪文送付
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●法律が厳しくなる「個人情報保護法」の施行:2005年4月
この法律が施行される以前でも、情報漏洩に対しては民事での損害賠償責任があったが、更に行政からの処分が付け加えられた。
個人の権利と利益を保護するために、5000件以上の個人情報を取り扱う事業者に義務を定めている。
データエントリーやイメージファイリングの業務では、正に多くが個人情報に関する情報が多い性格があり、特に安全管理の面で充分なセキュリティ対策が必要になる。
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●犯人は殆ど内部から
当初、情報漏洩はハッカーによる情報盗難やネットワーク上での盗聴に注目されたが、最近では事件の殆どが内部の人による犯罪である。
役員や幹部も含め関与する全ての人が犯人になる可能性があるという前提で情報漏洩対策を講ずる必要がある。
過誤を防止する対策は勿論、犯意をもった行動に対処するには「悪いことをやってはいけない」みたいな規定による防止策では効果がない。
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●犯罪に犯されない仕組みが必要
情報は複数のデータの集まりからなり、その結果「意味」を持つことになる。例えば、「氏:日本 名:太郎 病名:末期肺癌 住所:xxxxxx」「氏:東京 名:花子 病名:恋病 住所:yyyyyy」の帳票があったとすると意味があり、この情報が漏れると困ることになる。
しかし、これらの情報を細分化し、ある従事者には氏:日本、氏:東京と氏のデータのみしか取り扱えないようにし、他の入力者には名:太郎 名:花子 と名のデータしか取り扱えないようにしたら、意味のないデータになってしまっているから、犯意を持った人にも利用しようがなくなってしまう。
このように意味のないデータに細分化するような仕組みこそが、犯罪を防止する対策になる。
この技術を「イメージ分割」と言っている。イメージエントリーにこの技術を適用したものを「イメージ分割データエントリー」と言っている。
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●検索権限階層は帳票単位だけでなく、項目単位が必要
イメージ帳票には職務権限に応じた検索権限の管理が必要である。
検索する人別 |
組織別権限:横 |
例:管轄支店、管轄本部組織 |
役職別権限:縦 |
例:役職、担当 |
検索されるイメージ帳票 |
帳票管理部門別 |
例:支店別、管理部門別 |
帳票種類別 |
例:申込書、口座振替申請書 |
帳票内項目別 |
例:一般属性、印影、パスワード、病名 |
・縦割りの検索権限管理
例えば、支店に属する顧客のイメージ帳票は、その支店と本部の管理部門からのみ検索出来るようにする必要があることがある。
・横割りの検索権限管理
例えば、検索部門の中でも担当者から主任、課長など権限の強さにより、検索出来る対象を管理する必要がある。
・イメージ帳票単位だけでなく、その中のアイテム単位の検索権限管理が必要
例えば、登録印影やパスワードや病名などその帳票の中の細分化された項目(アイテム)階層でも検索権限の階層管理をすることにより、該当アイテムはマスキングされて見えないようになっているなど、情報漏洩の対策には非常に有功になる。
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